ユニバーサルミュージックに移籍して発表したデビュー10周年記念アルバム『Out of Border』に続く、新作『Every Little Life 〜生きとし生けるものへ〜』は、東儀のオリジナル作品を中心に、「モーツァルトの子守歌」や「鳥の歌」などのクラシックから、「七つの子」といった童謡まで多彩な曲を集めながらも、時空を超えるような深い慈愛に満ちたアルバムだ。日本マクドナルド「プレミアムローストコーヒー」のCMで使用されている「Keep on Moving」でのロックのリズムに乗る篳篥の音色も、「地球よ優しくそこに浮んでいてくれ」での宇宙的な広さを感じさせる篳篥の音色も、ごく自然に耳に馴染んでくる。生命を宿す全てのものへの“愛”と“優しさ”が感じられる。
チック・コリアは1941年、米マサチューセッツ州生まれ。スパニッシュ系の血を引く情熱的な部分と、知的でリリカルなタッチを織りまぜた演奏が特徴。66年に初のソロ・アルバム『Tones for Joan's Bones』をリリース。68年の『Now He Sings, Now He Sobs』で注目されると同時に、マイルス・デイヴィスのグループに参加。『Bitches Brew』などで革新的なプレイを聴かせ、脱退後は“サークル”というフリー・ジャズ色の濃いグループを結成した。そして72年にスタンリー・クラーク、ジョー・ファレル、アイアート・モレイラ、フローラ・プリムとリターン・トゥ・フォーエヴァーを結成、カモメのジャケットで有名なデビュー・アルバム『Return To Forever』は70年代のクロスオーバー・ジャズ最大のヒット作となった。
本作『アンソロジー』は、そのリターン・トゥ・フォーエヴァーの歴史を辿るベスト盤ではあるが、内容的には第2期となる3作目『Hymn To The Seventh Galaxy(第7銀河の賛歌)』、超絶テクのギタリスト、アル・ディ・メオラが参加した4作目『Where Have I Known You Before(銀河の輝映)』、5作目『No Mystery』からのナンバーを中心に収録したもの。初期のラテン色濃いクリスタルな演奏よりは、ロック/ファンク色を濃くしたエネルギッシュな演奏が聴ける。後期ソフト・マシーンや、ブランドXなどのジャズ・ロック系ファンにも十分楽しんでいただける内容となっている(CDには、コロムビア移籍後の『Romantic Warrior』からの曲も収録)。