作家の完成が明確に反映された純文学を楽しもうという場合は、バックに流す音楽にもこだわりたいもの。というわけでオープニングは、アメリカのミニマル・ミュージック・シーンを代表する作家として知られるスティーヴ・ライヒの「Different Trains - America-Before the War (movement 1)」から。アルバム『Phases』に収録された良質なコラージュ・ミュージックです。
ノラ・ジョーンズらとのコネクションを持つシンガー・ソングライター、リチャード・ジュリアンの「If A Heart Breaks」は、カラッとしたサウンド・プロダクションが読書速度を上げてくれる(に違いない)、大人の余裕を感じさせてくれる楽曲。ブライアン・イーノの歴史的名作『アナザー・グリーン・ワールド』収録曲「St. Elmo’s Fire」へと続くミスマッチ感たっぷりの流れも、適度に頭脳を刺激してくれるのではないでしょうか。
スタン・ゲッツの「Stella By Starlight」で気持ちをリセットしたら、ニューヨーク・パンクのシーンの最重要バンド、テレヴィジョンの「Carried Away」につながるという無謀な展開で。トム・ヴァーレインのヒステリックなヴォーカルからフレディ・マーキュリーの伸びやかなヴォーカルが感動的なクイーン「Killer Queen」へと飛躍する展開も、なんでもありの純文学にはピッタリ。
リー・スクラッチ・ペリー「Secret Laboratory (Scientific Dancehall)」とブラック・ウフル「Chill Out」でダビーな雰囲気を楽しんだら、ライヒと並ぶミニマル・ミュージック・シーンの重鎮であるフィリップ・グラスの「Two Pages」へ。そしてシメにど定番のジョン・コルトレーン「Say It(Over And Over Again)」を持ってくれば、難解な文学作品もサクッと読める……かもしれません。