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FEATURED ARTIST 鈴木祥子 ついにセルフタイトル デビュー18年目の『鈴木祥子』 鈴木祥子の今、そして愛のゆくえ
「人は少しづつ変る」フォークソングを極め、新たな自己表現へ向かう女性シンガー、中山ラビ

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わたしのなかにあるもの
それが、あなたのなかにあるものと触れ合う瞬間を
わたしは夢見ているのです
「愛とはけっして後悔しないこと」とは、映画『Love Story〜ある愛の詩』の有名なセリフだが、「愛するって耐えることなの?」と、浅丘ルリ子は「愛の化石」という歌の中で言った。有島武郎は「惜しみなく愛は奪う」と言い、チャップリンは「完全な愛というのは、最も美しい欲求不満だと信じている」とも言った。
人それぞれ愛のかたちは違い、愛に求めるものも違うだろう。もしかしたら、勝手に“愛”と名前を付けているだけかもしれない。鈴木祥子はおそらく、日本の女性シンガー・ソグライターで最も“愛すること”に一生懸命で、そして傷ついてきたひとのような気がする。それは、彼女がデビュー以来残してきた多くの曲の中の、どれか数曲を聴いただけでもわかるはずだ。
繊細な女性心理を歌わせたら、詩的な言葉とその感情の襞を震わせるようなボーカルとあいまって、女性・男性のへだてなく聴く者の心に深く響く。アルバムを重ねるごとに、自己告白の度合いも増しているように思うが、それは何気ない日常のなかにのぞく一瞬の風景を切り取ったようでもあり、自分の弱みをさらけ出すといったものとは違う。全てを一人多重録音で作った『Love、painful love』から5年。今の自分のなかにある“女”を、愛の名のもとにこの世に送り出した『鈴木祥子』が、今年の1月にリリースされた。
レコ発記念ライブ(半年遅れの・・・)も行われる中、鈴木祥子さんにメール・インタビューという形で、お話をうかがうことができた。
ー 新作『鈴木祥子』について
ここにきて、はじめてアルバム・タイトルに自分の名前を冠した理由は?
ひょっとしたらセルフタイトル、いいかな?と思っていたのですが、ちょっとあんまりかしら、と躊躇していましたら、スタジオでカーネーションの直枝さん が「タイトル、“鈴木祥子”っていうのはどう?」と言ってくれて、レーベルの小川さんが実はそう思ってたんスよ!と。それで私も実はそう思ってたの、と3人でシンクロしてしまい(笑)・・・。出来上がった音を聴いてみて、今の自分、そのものだと思ったのでこのタイトルにしました。
前作のスタジオ・フル・アルバム『Love、painful love』から約5年ぶりになりますが、ライブで演奏して曲が熟してきたところでアルバム化するという手法をとりたかったのでしょうか?
はい、締め切りがあって書く、リクエストに応えて書くというカタチとか、リリースのローテーションに合わせること、とかにすごく疲れてまして。そういうやり方のいい面ももちろんあるし、本来楽しいことなのですが、やり過ぎちゃうとつまんなくなるし、見失う部分もある。自分の中に何もないのに、曲だけ書いても何にもならないな、と思っていました。必然性が無い、というか・・・。ライブでやって、お客さんの反応に曲が育てられていく、そうやって手応えがあったものを録音をする、というのが自分にはいちばん合っている、と思いました。
ROVOのメンバーや、カーネーションと一緒にやることで、自分の曲作りにどんな変化がありましたか?
皆、音に対してびっくりするくらい原始的というか、直感的な人たちです。そういうところをすごく尊敬するし、学ぶものが多いです。音は自由でいいんだ、縛られる必要ないんだということ。それがわかってからはとてもラクに書くことが出来るようになりました。考えない。時間にまかせる。これが一番みたいです。
「愛の名前」は、「Shelter」などと並んで重い内容の歌だと思いますが、かなり距離感も感じます。「Shelter」から「愛の名前」までの間に、ある種の悟りの境地に達したのでしょうか?
悟りの境地、といえば、浜田真理子さんを想い出します。本当に素晴らしくて、憧れてます(笑)。情熱も情念もすべて消化して、すとんと受け入れたところで声を出してる感じがする。私はまだまだそこまで行けないけど、今までのみっともなく、もがいてる自分も、それはそれでいいか、と思えてきました。30代いっぱいまでは、どうしても女の、恋愛中心の自分、が居まして、それをちょっと抜けたところで、“女”の視点と“人間”の視点、両方で書いていけたらいいなと思います。
「忘却」は、弾き語りとアルバムのバージョンはかなり雰囲気が違って、男臭いサウンドになっています(ニール・ヤングみたいな)。
「自分がおっさん化して、男の気持ちがわかるようになった」みたいなことをおっしゃっていましたが、‘さよなら’をした男のことは忘れてしまうほうですか?
はい、行くとこまで行って、サッパリ忘れるほうです(笑)。その、行くとこまで行く、というのが大事なんです、自分の中で。でも、ひとつひとつの恋愛のキラキラっとした瞬間、みたいなものはいつまでも残りますよね。だからってそこに戻れるわけじゃない。戻ったからってシアワセではない。別れ、って哀しいことだけど、出会って、恋して別れる、というプロセスは、とてもロマンチックなものであると思います。さよなら、を恐れて安全に生きる、よりも、恐れないで傷つくほうが私はスキです。
「LOVE/IDENTIFIED」は、これまでにないエロチックさ(?)が爆発している曲ですが、映画『愛の嵐』を引き合いに出されていましたが、これまでの自分の人生(恋愛)を映画的だと思ったことはありますか?
いや、そんな恰好いいものでは無いのですが、あの映画は大好きです。「LOVE/IDENTIFIED」は恰好よく言えば映画みたいなイメージがあります。
マルグリット・デュラスの小説もそうですが、すごく歪んでるけども純粋な愛、未来は無いけどその一瞬がすべて、っていうような。こう、走馬灯のようにいろいろ想い出してみると、まあいろいろあったなあ、というかんじで、女、っていうものが体験するいろんな想いっていうのは、ひととおりやったかな、とは思います。女が自信をもって、無力感をもたないで堂々と生きていける世の中、をつくるにはどうしたらいいんだろう・・・っていつも考えます。やっぱいまの社会って、女が女であることにどこかで引け目を感じ乍ら生きる、っていうふうにになっているから・・・。やっぱ女でよかった!サイコー♪っていうのがいいよーーって質問と全然カンケイなくてごめんなさい(笑)。
「BLONDE」は、どこか「帰郷」と表裏を成す曲のようにも聞こえるのですが、これは究極の愛について歌っているのでしょうか?
はい、女のひとの依存性、一歩まちがうと狂気、になるような愛、について歌ってます。「帰郷」もそうですね、もう居ないひとを待ちつづける、現実から離れて、夢に生きるということ・・・。あの曲の歌詞は、石原吉郎の“フェルナンデス”という詩にヒントをもらってます。「BLONDE」は男性には評判悪いですね、重い、恐い、と言われます(笑)。逆に女性はこの曲大好き、と言ってくれる。愛するひとと完全に一体になりたい、というような願望が女性にはあるからだと思う。それが叶わないから、なにかを持て余して、女は歌わざるを得ないんです(笑)。
40才になってしまった鈴木祥子さんにとっての、このアルバムのテーマは何ですか?
愛と欲望、です(笑)。曲はみんな、39までに作ったものなので、40になってからの曲はまだ、入ってないんです。女、としての愛と欲望っていうのは、このアルバムが完結編、っていう気がすごくしています。これからはもっと、人としての視点をもちたいです・・・って今まで人じゃなかったんかい!と言われそうですが、とにかくもう、女、でせいいっぱいだったので、人、まで行けなかったんです。そのへんがちょっと落ち着いて、女は女だけども、人でもあるんだ、というのがいまのテーマです。
ー これまでのキャリアを振り返って
デビューから3作目くらいまでのガールズ・ポップ路線から、自分らしさを出すようになったのは何かきっかけがあったのでしょうか?
やはり人に望まれるもの、もいいけど、自分の思ってること、をやりたくなったんだと思います。キレイなサウンド、キレイな歌からはみ出る部分が出てきたというか。
外国のアーティスト、シンガー・ソングライターで自分に最も近い感性だと思う人はいますか?
尊敬してるのはローラ・ニーロ、サンディ・デニー、ジュディ・シルです。女としての生き方、歌に入っていく深さに共感します。ソングライターの師匠ということで言えばダン・ペンです。
マルチ・プレイヤーでもあるわけですが、『あたらしい愛の詩』の頃のサウンドと今では、かなり違ってきています。アレンジに関してはかなり口を出すほうですか?
はい、ゴージャスに構築するより、「えっ?」っていうくらいシンプルな方が好きです。なにか足りない、くらいのサウンドの方が興奮します。
これまでのアルバム(新作を除く)で、自分らしさが一番出ているといえばどれになりますか?
すごく初期なら『水の冠』が好きです。もっと後なら『SNAPSHOTS』。2000年に出した一人多重録音のアルバムも好きです。
ー 今後の活動について
次作はいつ頃になる予定でしょうか?
わかりません!でも、いろんな意味で“振り切った”アルバムになるんじゃないかと思います。自分の葛藤を書くようなことはきっと、もうしないだろうなって。再来年くらいかな、曲をたくさん書かないといけないし・・・。でも、ちょっと楽しみです。
フル・バンドを従えてのライブの予定は?
今のところ、無いです。しばらく独り、を追求すると思います。
今後、共演してみたいミュージシャンはいますか?
9月の22日に京都の磔磔で大友良英さんとはじめて共演させてもらうことになりました。緊張もするけどすごく楽しみ。船戸博史さんともいつかセッションしてみたい!そしてニール・ヤングですね(ハート♪)。
(取材&Text/遠藤哲夫)
Track List
New Album  『鈴木祥子』 2006/01/25 Release ダウンロード価格 
アルバム \1,500(税込)
トラック 各\150(税込)

ライブでは既にお馴染みの曲となっているものも多いが、ROVOのメンバー(勝井祐二、芳垣安洋、岡部洋一)やチェロの坂本弘道が参加した、キング・クリムゾン的ともいえるアヴァンギャルドな曲(「何がしたいの」「LOVE/IDENTIFIED」)に驚く。空間を切り刻むような演奏が鈴木祥子の世界を更に押し広げている。カーネーションをバックにした、セルフカヴァーの「ラジオのように」、パティ・スミスのカヴァー「Frederick」などは、今までのライブで培われたノリがそのまま生かされている。本作の核心を成すと思われる「忘却」の重厚さが胸に迫る。そして、ピアノ弾き語りによる「愛の名前」と「道」がアルバムの頭と最後を締めているのも印象的だ。
Album  『I was there,I'm here』 2003/09/21 Release ダウンロード価格 
アルバム \3,000(税込)
トラック 各\150(税込)

■Disc 1
01. 夏はどこへ行った  >>試聴
02. Happy Someday  >>試聴
03. ただの恋だから  >>試聴
04. 恋人たちの月  >>試聴
05. 椋鳥  >>試聴
06. Circle  >>試聴
07.   >>試聴
08. あなたがいた季節  >>試聴
09. 優しい雨  >>試聴
10. プリヴェ  >>試聴
11. Adios  >>試聴
デビュー15周年を記念してリリースされた初のライブ・アルバム。2002年2月から6月まで月1回行われていた東京・南青山MANDA-RAでのライブを収録。弾き語りが主だが、カヴァー曲を中心にしたDISC 1では、カーネーションの直枝政広とのデュエット(「恋人たちの月」)も聴ける。「優しい雨」の情感に包まれながら、「プリヴェ」、リンダ・ロンシュタットの「Adios」へと続く流れも素晴らしい。Disc 2では、スタジオ作以上に説得力のあるボーカルにおもわず涙。「Shelter」から、「帰郷」を経て「River's End」「ムーンダンスダイナーで」までのスローなナンバーでの表現力の深さは、もう感動的である。
Profile
1965年8月21日東京生まれ。中学時代にヒューストン(米テキサス州)にホームステイ、高校から藤井章司氏(元スモーキー・メディスン〜一風堂)のドラム教室に通う。83年のEAST WEST CONTESTに出場し、レディース部門最優秀ドラマー賞を受賞。高校卒業後、ハコバンで米軍基地を回り、86年より原田真二&クライシスのパーカッション、キーボード、コーラスを担当。87年、小泉今日子やビートニクス(鈴木慶一&高橋幸宏)のツアーに参加している時にソロ・デビューの話が持ち上がる。
1988年9月にEpicソニーより、シングル「夏はどこへ行った」、アルバム『VIRIDIAN』でデビュー。以降、アルバム『水の冠』『風の扉』『hourglass』『RadioGenic』などを発表、93年には、小泉今日子に提供した「優しい雨」が95万枚の大ヒットとなる。95年にはロック色を打ち出した『SNAPSHOTS』をリリース。98年にはレコード会社をワーナーに移籍し、『私小説』『あたらしい愛の詩』、一人多重録音による『Love, painful love』などを発表後、ワンダーグラウンド・ミュージックより2枚組ライブ盤『I WAS THERE, I'M HERE』(2003年)、そして新作『鈴木祥子』(2006年)をリリース。
自身の音楽活動以外にも、小泉今日子をはじめ、松田聖子、Wink、吉村由美(Puffy)、山下久美子、中島卓偉、坂本真綾などにも楽曲提供している。
Selected Discography
■その他の主なアルバム

『VIRIDIAN』1988
『水の冠』1989
『風の扉』1990
『Long Long Way Home』1990
『Hourglass』1991
『RadioGenic』1993
『Sings Bacharach & David』1994
『SNAPSHOTS』1995
『Candy Apple Red』1997
(Sony Music Online Japan)

『私小説』1998
『あたらしい愛の詩』1999
『Love,painful love』2000
(ワーナーミュージック・ジャパン)
Information
鈴木祥子ソロライブ“SOLO”〜地元(?!)編〜

女が男をあいする時
ーwhen a woman LOVES a manーwith 大友良英on guitar
9/22京都磔磔でのライブは、名古屋、東京で行われたレコ発ソロライブ“SOLO”の完結編。

■ 2006/09/22(金) 京都磔磔
  open 17:00 start 18:00
  info 京都磔磔 (075)-351-1321
Links
 
>>鈴木祥子 ウィブサイト
>>wonderground music
>>鈴木祥子アーティスト詳細ページ
あのとき君は若かった!世代別検索はこちら
Music Lounge Artist Special Play List Vol.10
自分からこぼれてしまう何か、 それらが音を、歌を必要としているわたしはうちでそんなに音楽を聴きません。ピアノ弾いたり、歌ったりしてることが多いです。主にはバッハをアナログ盤で聴くことが多いです。古いカセットもときどき聴きます。

いろんな音楽をよく知っているね、と、たま〜に言われたりするのですが、そんなことは無いと思います。加えてBCRとかフォリナーとかスティクスとかジャーニーとか、仕様も無い昔の歌謡曲とか、ちゃんとした音楽ファン、にはヒンシュクせられるようなものも大好きだったりするし、音楽の趣味がいい、とも言えないのです。趣味が良かろうが悪かろうが、自分が良いと思ったらそれは世紀の大名曲なのだ、という、非常に自分本位な聴きかたをして居ります。全然マニア、では無いとおもいます。

旅先に音楽は持っていきません。i-podも持ってない、買う気も無い、コンピュータで打ち込みもしない、リズムマシンもデジタルキーボードも持ってない。ないないづくしでハズカシいかぎりです。詳細なデモテープを作ることが、好きじゃないのです。好きじゃないからやらない。お前、それでよくミュージシャンをやってるな、と言われそうです。

音楽は生活じゃない。音楽は、生活の中に在る。音楽っていうカタチになる前から、音はそこに在るから、いつも鳴ってる必要はない。音楽で生活してるのに、矛盾してると思われるかもしれませんが、

音楽が必要なのはむしろ、生活からはみ出す部分です。自分、生活、日常、というフレームにおさまりきらないもの、余って、誤って、こぼしてしまう、あふれてしまうなにか。

わたしのなかにあるそれらすべてが、音を、歌を、必要としているのです。
わたしはそれらのために歌いたいし、それらのために音を出したい。
それらのために音楽を聴きたい。

そんなふうに思うのです。

P.S うちでよく聴く曲、スキな曲はこんなかんじです。自分のなかの“仕様も無い部門”ではなく、“かっこいい部門”で選んでみました。
(鈴木祥子)
鈴木祥子 My Favorite   影響を受けた(好きな)10曲「Blue」  ジョニ・ミッチェル「Don't Cry No Tears」  ニール・ヤング「Look At Me」  ジョン・レノン「No Woman No Cry」  ボブ・マーリー「Late November」  サンディ・デニー「Emmie」  ローラ・ニーロ「無伴奏チェロ組曲」(カザルス)  バッハ「ゴールドベルク変奏曲(グールド)」 バッハ「オフィーリア」  カーネーション「純愛」  浜田真理子




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>>試聴 >>試聴 ジョニ・ミッチェル >>試聴 「サークル・ゲーム」 「Don't Cry No Tears」 ニール・ヤング >>試聴 「Look At Me」 ジョン・レノン >>試聴 ボブ・マーリー 「No Woman No Cry」 >>試聴 「Late November」 サンディ・デニー >>試聴 >>試聴 「Aria」 「BACH: CELLO SUITE NO.1,  BWV 1007 IN G-MAJOR: 1. PRELUDE」 >>試聴 「オフィーリア」 カーネーション >>試聴 >>詳細はこちら