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FEATURED ARTIST 小野リサ Lisa Ono 特集 

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■新作『Soul & Bossa』について

 ここ数年は、「ボサノヴァでめぐる音楽の旅」をテーマに、ハワイ、イタリア、フランス、アフリカ、ラテンやカントリー・ミュージックと、世界の様々な国や地域の音楽をボサノヴァ・スタイルで奏でてみせた小野リサが、次に選んだテーマは“ソウル・ミュージック”。レコード会社をエイベックスに移し、自らのレーベル“ドイス・イルモンス”を立ち上げてリリースした『Soul & Bossa』は、ソウルやR&Bの名曲をボサノヴァ・アレンジでカバーしたアルバムだ。今回、ソウル・ミュージックを選んだ理由や、収録曲について伺ってみると・・・。


「あるテレビ番組のエンディング・テーマの依頼を受け、マーヴィン・ゲイの「What's Going On」を録音しました。その過程を通じてソウル・ミュージックの魅力を“発見”し、アルバムのテーマとすることにしたんです。300曲以上のソウルの楽曲を聴いて、自分が歌いたい、皆さんにお聴かせしたい、ということを基準に選曲しました。取り上げているアーティストの中で、スティーヴィー・ワンダーは、ブラジル音楽に一番近い、ソウル・ミュージックのコンポーザーだと思っていますし、レイ・チャールズは、ソウル・ミュージックの源流のような方だと思います。ジェームス・ブラウンの「I Got You (I Feel Good)」については、実は今回初めて聴きました。フェイクの多いソウル・ミュージックの歌を、シンプルに歌うことが基本のボサノヴァのスタイルにあわせるのに苦心しました」

ソウル・ミュージックは、それぞれがとても個性的な歌い方をする音楽なので、「その曲の確かなメロディを掴むまでは少し難しさを感じた」という。このアルバムの収録曲は、ボサノヴァと相性がよさそうな曲ばかりではなく、アメリカ南部のディープ・ソウルの代表的シンガーでもあるオーティス・レディングの「(Sittin' On) The Dock Of The Bay」や、“ファンクの帝王”ジェームス・ブラウンなど、強烈なシャウトやファンキーなリズムを特徴とする曲も取り上げている。その独特の“黒っぽさ”をどのようにボサノヴァ・アレンジするのか、とても興味が湧いてくるところである。サウンドの中心をピアノよりもギターに置き、「(Sittin' On) The Dock Of The Bay」をボサノヴァ・スタイルのギターで弾いてみたところ、すんなりフィットしたという。そのフィット感が心地良かったので、この曲がアルバム全体のサウンド・コンセプトの中心となったそうだ。ジェームス・ブラウンの曲も、ブラジル北東部のリズム・アレンジを加えたことで、違和感を感じずに歌えたと語っている。

スティーヴィー・ワンダーの曲は、以前にも「My Cherie Amour」や「You Are The Sunshine Of My Life」をカバーしたことがあるが、今回取り上げている「Overjoyed」は、バラード名曲として人気が高い曲。それを、ビル・カントスとのデュエットで原曲以上にドラマティックで美しい曲に仕上げている。ビル・カントスは、前作『Jambalaya -Bossa Americana-』にも参加していたシンガー/ピアニストであるが、彼との出会いのきっかけを訊いてみると・・・。

「ロサンゼルスで活躍するドリ・カイミから、初めは前作『ジャンバラヤ』のピアニストとして紹介されました。後から、彼がバック・ボーカルもこなすと知り、またその歌声の素晴らしさにすっかり魅了されたんです。今回は、彼に全面的に参加して頂きアルバムのサウンド・カラーの核を作りました。その結果、このような素晴らしい作品へと仕上げることができました」

ビル・カントスは、レイ・チャールズの曲である「I Can't Stop Loving You」や「Unchain My Heart」でも、スタイリッシュなバック・ボーカルを聴かせている。これらの曲は、彼女がレイ・チャールズの伝記映画『Ray』を見て印象に残った曲で、「私の中に響いてくるレイの歌声に、ソウルのスピリッを感じながら歌うことができた」と語っている。「次第に自分の言葉へと置き換えて歌うことができるようになり、自分の新しいソウルに出会うことができた」というのもうなずける。

■アントニオ・カルロス・ジョビンとの出会い

今年はアントニオ・カルロス・ジョビンの生誕80周年にあたる。それを記念して、8月18日に日比谷野外大音楽堂で「Ono Lisa 2007 SUNSET BOSSA -Tribute to Antonio Carlos Jobim-」というスペシャル・トリビュート・ライブを開催する。ジョビンとの出会いや、「SUNSET BOSSA」ライブについて伺うと・・・。

「いちばん最初の出会いは、ジョビンが81年に来日したときに、私の父がホテルのディナー・ショーのチケットをプレゼントしてくれて、その時に楽屋でお会いしてるんですが、94年の『エスペランサ』のアルバムで共演しました。リオで初めて彼の家を訪れた時、「歌ってごらん」と言われて凄く緊張しながら歌ったのですが、私の歌を聴いた途端に彼がみんなに電話を掛けだしたんです。「リサって知っているか?一緒にやろう」って。今回のライブは、ジョビンの名曲の数々を彼の息子パオロ・ジョビンや、孫のダニエル・ジョビンなどとたっぷりとお届けしますので、楽しみにしていてください」

■ブラジル音楽の魅力とは

ジョビンの魅力を、「ボサノヴァはすごくシンプルなものなんですが、たくさんある音の中から選びだしてシンプルにするのはとても難しいことで、そのセンスの良さが魅力」と語る。ブラジル音楽で特に影響を受けたアーティストは誰か訊いてみた。

「ジョアン・ジルベルトです。彼のボサノヴァのスタイルにとても影響を受けました」

「これまで、ボサノヴァを通じた“音楽の旅”を続けてきて、私の中のボサノヴァ的感覚をより一層明確に表現できるようになりました。この“音楽の旅”の経験を重ねるほど、全ての音楽がブラジル音楽に繋がっていることがわかってきて、ますます楽しくなっています。今回のソウル・ミュージックとのコラボレーションを通じ、皆さんと感動を共有できれば…と思っています」

小野リサの音楽は、その涼しげな歌声と軽やかなギターで、ボサノヴァやブラジル音楽を知らない人達も、瞬く間に魅了してきた。避暑地や海辺が似合うリゾート・ミュージックにもなるし、日常の生活にスーっと溶け込んでいくような身近な音楽にもなる。世界の音楽と触れ合うことによって、彼女のミューズとしてのスピリットは、ますます深化していって、たおやかな母性愛をも感じさせる。ソウル・ミュージックと出会ったこの『Soul & Bossa』で、さらに大きな愛が見えてくる。

(取材&Text:遠藤哲夫)
Track List
Album  『Soul & Bossa』2007/07/01 Releaseダウンロード価格 
トラック 各\200(税込)
Profile

小野リサ(Lisa Ono) ブラジル・サンパウロ生まれ。

10歳までの幼少時代をブラジルで過ごし、15歳からギターを弾きながら歌い始める。
89年、アルバム『カトピリ』にてデビュー。ナチュラルな歌声、リズミカルなギター、チャーミングな笑顔で瞬く間にボサノヴァを日本中に広める。その後も、毎年1枚のペースで良質なアルバムをリリースし、日本におけるボサノヴァの第一人者としての地位を不動のものとしていく。
98年には全曲リオ・デ・ジャネイロ録音、アントニオ・カルロス・ジョビンの息子と孫にあたるパウロ&ダニエル・ジョビンを迎えて制作された『ボッサ・カリオカ』を発表。99年には、車のCMソングに起用された「ムーンライト・セレナーデ」を収録したアルバム『ドリーム』が20万枚を越えるヒットを記録。その後もボサノヴァのみならずポップスまで広げた選曲で、広い音楽ファンに支持される。
ここ数年は、「ボサノヴァでめぐる音楽の旅」をテーマに、ハワイ、イタリア、フランス、アフリカ、キューバなど世界各国の音楽とボサノヴァを融合させたアルバムを作ってきた。
現在、彼女の人気は海を越え、ニューヨークやブラジル、台湾やハワイ公演を成功させるなどワールド・ワイドに活躍している。2007年7月にエイベックス移籍第1弾アルバム『Soul & Bossa』を発表した。

Selected Discography

『Jambalaya -Bossa Americana-』2006『Romance Latino vol.3』2005『Romance Latino vol.2』2005


『Romance Latino vol.1』2005『NAIMA〜meu anjo〜』2004『DANS MON ILE』2003


『Questa Bossa Mia...』2002『Bossa Hula Nova』2001『prety world』2000

『DREAM』1999『BOSSA CARIOCA』1998『ESSENCIA』1997

Information
◆Ono Lisa 2007 SUNSET BOSSA -Tribute to Antonio Carlos Jobim-
アントニオ・カルロス・ジョビンの生誕80周年記念コンサート
小野リサがメイン・アーティストの他、ジョビンの息子や孫も参加

8月18日(土) 日比谷野外大音楽堂
開場16:30  開演17:30
問合せ:DISK GARAGE

◆Lisa Ono Bossa Americana Tour 2007
9月29日(土) 東京・立川市市民会館
10月6日(土) 福岡・福岡国際会議場メインホール
10月8日(祝) 広島・NTTクレドホール
10月12日(金) 千葉・船橋市民文化会館
10月13日(土) 東京・中野サンプラザホール
10月21日(日) 山梨・リゾナーレ小淵沢音楽の森ホール
10月25日(木) 愛知・愛知県芸術劇場コンサートホール
10月26日(金) 静岡・浜松フォルテホール
10月28日(日) 埼玉・サンシティホール
11月3日(祝) 神奈川県・平塚市民センターホール
11月17日(土) 大阪・NHKホール
Links

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>>小野リサ avex Official Website

>>OnGen 小野リサ特集 2005年7月

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Music Lounge Artist Special Play List Vol.21
小野リサの選ぶ私の好きなジョビン10曲M1.   イパネマの娘M2.   フェリシダージ(悲しみよさようなら)M3.   ワン・ノート・サンバM4.   ルック・トゥ・ザ・スカイM5.   マンゲイラのピアノ  現在、OnGenでは配信しておりませんM6.   フォトグラフィアM7.   インセンサチス  現在、OnGenでは配信しておりませんM8.   サビア  現在、OnGenでは配信しておりませんM9.   コヘンテーザ  現在、OnGenでは配信しておりませんM10.   三月の雨
アントニオ・カルロス・ジョビンとは?

今回、小野リサさんに選んでいただいた“私の好きなジョビン10曲”。ジョビン自身の演奏や歌による曲から、他のアーティストに提供した曲やカバー曲など、ジョビンの幅広い魅力が伝わる選曲となっています。ここで、ブラジルが生んだ天才音楽家、アントニオ・カルロス・ジョビンについて、おさらいしておきましょう。

アントニオ・カルロス・ジョビンは、1927年1月25日、リオ・デ・ジャネイロ生まれ。14歳のころからピアノを始め、一旦は建築事務所に勤めるが、ナイトクラブでピアノ奏者として働き、1953年にブラジルのオデオン・レコードにA&Rマンとして採用される。大物作詞家であるヴィニシウス・ヂ・モライスと出会い、「黒いオルフェ」のための作曲などをしながら、1959年には、最初のボサノヴァ・ソングとされる「思い焦がれて」をジョアン・ジルベルトに提供し(厳密には、エルゼッチ・カルドーゾのアルバムに収録されていたこの曲で、ジョアンがギター伴奏を勤め、その後にジョアン名義でシングル発表)、ブラジルの若者の間にボサノヴァ・ブームが起きる。ジョビンが思い描いていた音楽を、ギターとボーカルによって完璧に表現したのがジョアン・ジルベルトだった。

ジョビンはその後、「フェリシダーヂ」「ワン・ノート・サンバ」「メディテーション」「デサフィナード」「ヂンヂ」などの名曲を次々と世に送り出した。1962年11月には、ニューヨークのカーネギー・ホールでボサノヴァのコンサートが開かれ、ボサノヴァ人気は世界的なものとなっていく。このボサノヴァの海外進出は、1963年録音のスタン・ゲッツによるリーダー作『ゲッツ/ジルベルト』を生む。アストラッド・ジルベルトもボーカルで参加した、ジョビン作曲の「イパネマの娘」はボサノヴァの永遠の名曲となる。自作自演作品集『The Composer Of Desafinado, Plays』を63年にリリースし、そして、クリード・テイラーが立ち上げたCTIレコードに移籍し、イージー・リスニング・ジャズの傑作『Wave』(67年)、『Tide』(70年)を発表した。その後は、エリス・レジーナとのデュエット・アルバムや、エコロジー問題をテーマにした『Terra Brasilis』などの印象的なアルバムをリリース。80年代以降は主に、家族を中心とした“バンダ・ノヴァ”で活動、94年に発表した『Antonio Brasileiro』が遺作となった(1994年12月8日に心臓発作で逝去)。

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