70年代はじめ、日本のロックの黎明期を支えた偉大なバンド、クリエイション。前身バンドであるブルース・クリエイションの時代から、天才ギタリストの呼び声が高かった竹田和夫が日本のギタリスト、そしてロック・シーンに与えた影響は計り知れないものがある。ホワイト・ブルースを基盤としたハード・ロック・バンドとして72年に結成されたクリエイションは、75年に『CREATION』でレコード・デビュー。パワフルで疾走感に溢れるサウンドは、世界に通用する最強のテクニックとオリジナリティを備えていた。76年には、クリームのプロデュースやマウンテンでの活動で有名なフェリックス・パパラルディをメンバーに迎えて制作した『CREATION
WITH FELIX PAPPALARDI』をリリース。日本のロック・アーティストとしてはじめて日本武道館でコンサートを行い、全米ツアーも成功させた。さらに音楽性を広げた3作目『PURE
ELECTRIC SOUL』(77年)からは、プロレスのザ・ファンクス(ドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンク・ジュニア)のテーマ曲としても話題となった「SPINNING
TOE-HOLD」が大ヒットした。
その後、TVドラマ『ムー一族』のテーマ曲となった「暗闇のレオ」、元カーナビーツのアイ高野をメンバーに新生クリエーションとして放った「LONELY
HEART」などの忘れ難いヒット曲を残し、84年に解散。竹田和夫は、新たにボーイズ・オン・ロックスを結成し、ブラック・コンテンポラリー、ファンク、ジャズ、ゴスペルなど多種多様なフレイバーを吸収し自己のスタイルを確立していった。97年からはアメリカのロサンゼルスへ移住し、現地でのライブ活動やプロデュースを手掛け現在に至っている。
年に数回、日本へ帰国(来日?)しツアーも行っている竹田和夫であるが、この4月19日、20日と東京・水道橋のJCBホールで2日間にわたって開催される『ROCK
LEGENDS』にクリエイションとして参加することが決定した!なんと、黄金期のクリエイションを支えた盟友、ドラマーの樋口晶之をはじめ、ヒロ小川(b)、ミック三国(key)というメンバーでのリユニオンとなる。19日はクリエイションと四人囃子、20日はスモーキー・メディスンが出演するこの『ROCK
LEGENDS』。日本のロック史に燦然と輝く、伝説のバンドの再結成に、まさに念願の夢がかなったと驚喜乱舞するロック・ファンの姿が目に浮かぶ。超恕級のギターヒーローである竹田和夫、森園勝敏、CHARを擁した3バンドが復活するのだから。
今回は、ロス在住の竹田氏にメールでいくつかの質問事項を送り、『ROCK LEGENDS』のことから、これまでのキャリアについて、ギタリストとして影響を受けた人など、さまざまなことをお伺いすることができた。
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【『ROCK LEGENDS』について】
今回、クリエイションをリユニオンすることになった経緯を教えてください。
最近、日本ではこういったオールドスクールのリユニオンがちょっとしたブームにもなっているらしい、とのことでオファーをいただきました。
竹田さんは、現在ロス在住ということですが、クリエイションのメンバーとの交流はコンスタントに続いていたのでしょうか?
折につけ、日本に行った時に一緒に演奏したり、お互いのスケジュールが許す限りジャムなどを続けていました。
今までいくつものバンドを結成し、音楽のジャンルも変化してきているとは思いますが、その中でクリエイションの占める位置は?
それはたいへん大きなものです。自分の音楽人生の中でもっとも熱かった時代のアイコンです。
クリエイションは当初ブリティッシュ・ハードロック色が濃かったですが、現在のギタープレイとあの頃のギタープレイで違う点は?
弦の太さ、アンプのセッティングでしょうか・・・。現在は011、当時は095、マーシャル、オレンジ等の大型アンプから、ポリトーンやフェンダーの小型アンプに変わってきました。技術的なことは長くなってしまいますが、ピッキングや運指も多少ですが変わりました。
この曲は絶対にやる、というのがあれば教えてください。
当日のお楽しみです、コレは・・・。
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竹田氏は、16歳の時に東京12チャンネル(現・テレビ東京)の「R&B天国」のアマチュアバンド・コーナーで5週勝ち抜いて優勝したビッキーズに参加、このバンドがブルース・クリエイションとなり、69年にデビュー・アルバム『BLUES
CREATION』を発表。メンバーを変えながら71年には『悪魔と11人の子供達』と、カルメン・マキとコラボレートした『カルメン・マキ/ブルース・クリエイション』を発表した。当時はGSブームが終わり、ニューロックの胎動期でもあり、社会的にも激動の時代だった。キャリアの最も初期から、クリエイション時代までのことを伺ってみた。
【これまでのキャリアについて】
ブルース・クリエイションからクリエイションになったことで、どんな音楽性の変化がありましたか?
よりPOPになったと思います。
74、5年頃のクリエイション・デビュー当時の日本のロック・シーンについて印象に残っていることは?
クリエイションの結成は72年ですが、最初のレコードは75年だったと思います。74、5年の日本のロックシーンというのは、ちょうど60年代の終わり(68、9年)から始まった、New
Era(新しいロックの価値観と演奏法によるもの)が一つの完成形を見せ始めていた頃でもありました。
そしてそれは大きな商業としてのロックというものの中に、組み込まれながら、飲み込まれて行きました。悪貨が良貨を駆逐したわけです。
関西のブルース・バンド、ウェスト・ロード・ブルース・バンドやサウス・トゥ・サウスなどとは交流があったのですか?
当時は活動の場所が違いましたので、交流はありませんでした。
オリジナル曲でも全て英語で歌っていたのは何故ですか?
それ以外の方法は考えられなかったからです。
フェリックス・パパラルディとのアルバム作りは、竹田さんにどんな影響をあたえましたか?
その後のスタジオでの音作りに少なからず影響を受けたと思います。
伝説のライヴといわれた『LIVE AT 武道館 1976 : WITH FELIX PAPPALARDI』が最近になって発掘CD化されましたが、このコンサートについてどんな思い出がありますか?
とても思い出深いコンサートでした。クオリティの高い演奏ができたと喜んでいます。
アイ高野さんや成毛滋さん、フェリックス・パパラルディさんがすでに故人となられていますが、彼等に曲を捧げるとしたら何を?
フェリックスには 83年のアルバム『Song For A Friend』で全ての曲を捧げてあります。特に 「MO-ICHI-DO」という曲はトリビュートの意味合いが濃かったように思います。クリエイションのレコードのなかでも特に良く出来た一枚だと思っています。
成毛さんに関しては特に曲を捧げるというより、共に過ごした時代の熱さを胸にしまって素晴らしい思い出でいっぱいということです。
アイ高野さんは私が知っている限りにおいて、日本でもっとも天性の才能に恵まれたアーティストだったと思うので、今もって残念でなりません。彼の生き様そのことが我々に多くのアドバイスを残してくれていったと思います。あの素晴らしかった歌声とともに・・・。私が書いて彼が歌った「ロンリー・ハート」を・・・、時が過ぎて、今私が歌う時、毎回が追悼の想いでいっぱいです。
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84年の『RAINY NITE DREAMER』を最後にクリエイションを解散。その後、竹田和夫&ボーイズ・オン・ロックスで精力的に活動を開始、『SHOO-SHOO』(86年)『RENDEZVOUS』(89年)『HELLO
AGAIN』(91年)のアルバムを制作。ロス移住後は、ブルース色やジャズの“ビ・バップ”テイストを強めたソロ作を発表し、中国や香港でのライブ活動やアジアのミュージシャンのプロデュースにも積極的である。これまでのキャリアの中で、影響を受けたギタリストなどをお伺いした。
【ギタリストとして】
これまでに最も影響を受けたギタリストは?
B.B.キングとジョー・パスです。
ブルース、ロック、ジャズ系などジャンルに分けた場合のフェイバリット・ギタリストを教えてください。
ブルース系ではB.B.キング、ロック系ではトニー・アイオミ、ジャズ系ではジョー・パスです。
竹田さんのギターの腕前をもってしても敵わないと思うギタリストはいますか?
いません・・・。
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現在のところ最新アルバムとなる『MOCHA』(2005年)は、スウィング感たっぷりのジャズ・ギター・アルバムであるが、往年のヒット曲「LEO(暗闇のレオ)」や「Lonely
Heart 〜LA version」なども新たにリメイクされている。ジョー・パスという名前がでてきたのもうなずける。最新DVDの『ONE AND ONLY』(2006年)は、なんと洪栄龍のプロデュースで「Tobacco
Road 2006」や「Lying Cheating」といった曲も演奏している。いつの時代のアルバムを聴いても、そこには竹田和夫の“魂(Soul)”が吹き込まれている。ブルースだろうが、ハード・ロックだろうが、ファンクだろうが、ジャズだろうが、ギターが歌っている。こんなに凄いギタリストが、あの伝説のバンド、クリエイションで帰ってくる。『ROCK
LEGENDS』で会いましょう!
(取材&テキスト/遠藤哲夫)
