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FEATURED ARTIST ベイ・シュー 特集 

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 美しくて完璧で心地よい。ニューヨークのジャズ界で活躍する“チャイニーズ・クール・ビューティー”、ベイ・シュー。2006年、ユニバーサルジャズが送り出した、中国出身の女性ボーカリストであり、ジャズのスタンダードばかりでなく、最新のポップスからビートルズ、松任谷由実、さらにはテレサ・テン等の中国語曲まで、独自のクールな歌声が奏でる“永遠のラブ・バラッズ”が大きな注目を浴びている。

 デビュー・アルバムでのスモーキーなボーカルから、2ndアルバムでの透明感溢れる癒しの歌声、そして今回の3作目では、よりカラフルに言葉を響かせながらもシンプルな美しさに満ちているベイ・シューの世界。6月の前半に、待望の初のジャパン・ツアーで来日中だった彼女に話を伺うことができた。


◆日本でのツアーについて

-----本格的なツアーは初めてだったと思うのですが、日本を回ってみての感想は?

 「旅ということではほんと初めてで、東京にしか来たことがなかったので、電車に乗って他の街に行くということ自体が楽しかったですね。
 バンドのメンバー(ピアノ、ドラムス)とは、今回初めて一緒に演奏したんですが、とてもラッキーだったと思います。音楽的にも人間的にもすごくウマが合ったし、一緒に日本を楽しんでる感じもあったし。
 ツアーでの選曲に関しては、基本的にはノリ(ベーシスト&プロデューサーの塩田哲嗣氏)と2人で決めました。アルバムでもツアーでも、今持っている一番いいものを出したい気持ちがあるので、2人で話し合いましたね」

-----ジョン・レジェンドの「オーディナリー・ピープル」を一番最初に歌ったのは何か理由が?
 「これは私のセカンド・アルバムの1曲目だし、お客様にとってもこのアルバムの印象が強いだろうと思ったので、それと同じようにしたんです。それにこの曲は、間に持ってくるのが難しいということもあったので、最初に持ってきました」

-----「ユーアー・ビューティフル」や「タイム・アフター・タイム」などの有名なポピュラー・ヒットのカバーもライブで歌っていましたが、ライブ用に変えているところはありますか?
 「特にライブ向けに変えるということはしていないです。皆さん、アルバムで聴いてライブにも来てくださっているので、ライブで違う感じにするということは意識的にはしていません。細かい点では多少違いはあるかもしれませんが・・・」

-----ライブで実際の歌を聴いてみて、声のレンジが広いなと実感したのですが、自分の声をどう思いますか?
 「自分の声について、そんなに考えたこともなかったです(笑)。ジャズなので、低い音域の曲を歌うことが多かったんですが、2作目ではジャズでない曲も多く取り上げたので、そういった曲には高い音域も結構入っていて、自分なりに工夫して、高い音域を歌うテクニックに気をつけながら2作目を作ったんです。自分でも、これまでと違うことに挑戦していきたいと思ったし」

◆新作について
-----2作目とあまりインターバルがなく新作(3作目)が出ましたが・・・
 「もともと2作目、3作目は合わせて計画していたことで、両方ともフォームのクロスオーバーをコンセプトに考えていました。2作目はポップの曲をジャズでやる、3作目はジャズの曲をポップにやる、ということで決めていました。ですから、その印象が薄れないように、2作目と3作目の間をあまり空けない、ということは前から考えていたことです。
 3作目にジャズのスタンダードだけでなく、ポップの曲も加わったのは、2作目でコンテンポラリーな曲を取り上げたのがとても好評だったということもあります。それに、中国語で歌った曲も好評で、今回のアルバムにももっと入れたいということがあって、結果的にはこのような選曲になりました。
 中国語でジャズを歌うということは、最初から自分のやりたいことだったんです。中国語の曲をジャズでやれるシンガーになるということは。だから、これまでのアルバムにも中国語の曲を入れているし、アルバムによってということではなく、最初から一貫していることです」

◆デビューのきっかけは
 「インディアナ大学を卒業後、ニューヨークに行き、そこでジャズを初めて聴いて興味を持ちました。私も歌いたいと思ってジャズを勉強し始めて、ジャズ・クラブにも行くようになって、そこのジャム・セッションに飛び入りで歌ったんです。その時にベーシストのノリと出会って、ノリがジャズの先生になってくれて1、2年ジャズの勉強をしていたんですが、中国語の曲をジャズにしたいと言ったら、一緒にやってみようかということになって録音したんです。それをノリが日本のレコード会社に聴かせたところ、こうしてスタートをきることができたんです」

◆ジャズの魅力とは
 「他の音楽と比べても、ジャズのボーカルが持っている雰囲気や情感が、ほんとに私を惹き付けるものがあって、どんどんそれを求めていって、いろんなものを聴いていったんですね。
 ジャズ・ボーカリストで影響を受けた人は、ジャズ・レジェンドである、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレイは勿論ですが、ダイアナ・クラールやダイアン・リーヴス、マリーナ・ショウなど、みんな聴きましたよ。そこから、影響というかなにかを吸い取ろうとしてましたね」

◆香港ポップスや台湾ポップスは聴いていましたか?
 「中国にいたときは、中国語のポップ・ミュージックを聴いていました。フェイ・ウォンやサンディ・ラムなどは、良く聴いていましたよ。子供の頃は大好きでした。サンディ・ラムの影響は、特に意識はしていないですが、あると思いますよ(笑)。中国では、合唱団で歌ったりしていました。欧米のポップスを聴いたのはアメリカに留学してからで、中国では全然知らなかったです。ビートルズも聴いたことがなかったですね(笑)」

◆今後の活動について
 「音楽活動の他に仕事を持っていて、今のところは両方ともやれるので変えるつもりはないのですが、音楽がわたしのすべての時間を要求するようになったら、専念しなくてはいけないとは思います。
 次のアルバムでは、もっとオリジナルを書きたいですね。他の人と一緒に作曲した曲を増やしていきたいと思います。中国のミュージシャンと一緒にやることは、すぐにできそうですね。前に重慶に帰ったときに、地元のミュージシャンと歌ったりしたことはありましたが、本格的にコラボレートしたことはないので、一緒にやるのもいいかもしれないですね」


ジェイムス・ブラントとジェイムス・モリソンという最近の人気男性シンガーの大ヒット曲をカバーするセンスも見事だが、3作目での軽やかなブラジリアン・テイストで風のような爽やかさを演出している「ブルー・ムーン」は、中国語で歌われている。ここに、ベイ・シューのオリジナリティの広がりを見ることができると思う。インタビューでも答えていたように、次のアルバムではどんな新しい試みに出会えるか楽しみであるが、今はただ、素晴らしい3枚のアルバムでのベイの美声に浸っていたい。

(取材&Text:遠藤哲夫)
Track List
Album  『Moonlight』2007/06/02 Releaseダウンロード価格 
アルバム \2,000(税込)
トラック 各\200(税込)
01. スターダスト  >>試聴
  Stardust (Standard)
02. ブルー・ムーン  >>試聴
  Blue Moon (Chinese Song / David Tao)
03. フィール・ライク・メイキン・ラヴ  >>試聴
  Feel like Makin' Love (Roberta Flack)
04. オン・ア・スロー・ボート・トゥ・チャイナ  >>試聴
  On a Slow boat to China (Standard)
05. ドント・ゴー・トゥ・ストレンジャーズ  >>試聴
  Don't Go to Strangers (Standard)
06. 月の光  >>試聴
  Clair de Luna (Debussy)
07. ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー  >>試聴
  Strawberry Fields Forever (the Beatles)
08. クレイジー・ヒー・コールズ・ミー  >>試聴
  Crazy He Calls Me (Standard)
09. オール・アローン  >>試聴
  All Alone (Original/ Song: Nori Shiota, Lyric: Bei Xu)
10. ガール・トーク  >>試聴
  Girl Talk (Standard)
11. ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト  >>試聴
  Don't Let Me be Lonely Tonight (James Taylor)
12. バイ・バイ・ブラックバード  >>試聴
  Bye Bye Blackbird (Standard)
13. ムーン・リプレゼンツ・マイ・ハート  >>試聴
  Moon Represments My Heart / 月亮代表我的心 (Chinese Song / テレサ・テン)
ジャズ・スタンダード中心だったファーストとポップス・カバー中心だったセカンドを経て、さらに創造意欲をかきたてクラシックからビートルズ、初のオリジナル・ナンバーまでをバラエティ豊かに、そして独自のベイ・シュー色に染めて歌い上げている。誰もが知ってる「スターダスト」や、ビリー・ホリデイの名唱で知られる「クレイジー・ヒー・コールズ・ミー」、ブルージーな「ドント・ゴー・トゥ・ストレンジャーズ」などはしっとりとした艶があって大人の味わい。同じスタンダードでも「オン・ア・スロー・ボート・トゥ・チャイナ」はボッサ/ラテン・テイストのアレンジでウキウキ感いっぱいだ。ドビュッシーのクラシック曲に自作の歌詞をつけた「月の光」とテレサ・テンのカバー(中国語で歌われる)「ムーン・リプレゼンツ・マイ・ハート」になんとなく共通するものが感じられるのも興味深い。中国語のナンバーではもう1曲、ベイがお気に入りだというデヴィッド・タオの「ブルー・ムーン」を取りあげており、“月”をテーマにした曲が見事なトライアングルになっているような気がするのだ。クリエイティヴィティに溢れ、完璧なアルバムであるが、ジャズ・ファンでない人にも楽しめる、とても親しみやすいアルバムになっている。
Profile
ベイ・シュー(Bei Xu):中国、重慶生まれの現在28歳。

交換留学生としてアメリカに渡り、インディアナ大学で会計学を学びつつ、歌とピアノをレッスンする。大学卒業後、ニューヨークに移りジャズに魅了される。ニューヨーク周辺で活動するジャズ・ピアニスト、チャールズ・シビルスキーや、効果的な発声法を教えていたジョージ・アクシルツリーのもとで勉強を始め、ジャズ・シンガーとして本格的に活動をはじめる。あるジャズ・クラブのジャムセッションで、日本人ジャズ・ベーシスト塩田哲嗣氏と出会い、デモテープを制作したのをきっかけに、ユニバーサルジャズ(Emarcy)と契約を結ぶ。
2005年7月には、故郷の重慶でジャズ・コンサートを開き、地元中国メディアでは「彼女はおそらく、ニューヨークでジャズを歌った最初の中国人女性である」と報じた。
2006年3月に『ベイ・シュー』(2005年6月NY録音)でデビューを飾る。このデビュー・アルバムでは、「ブラック・コーヒー」や「捧ぐるは愛のみ」などのスタンダードの他、キャロル・キングの曲やエルヴィス・コステロでお馴染みとなった「シー」などもカバーしていた。
2007年1月にはセカンド・アルバム『ロスト・イン・トランスレーション』(2006年10月NY録音)をリリース。ポップス・カバーを中心に、日本語を交えて歌った松任谷由実のカバー「A Happy New Year」がダウンロード数5万件を突破するなど、大きな注目を浴びる。
2007年5月にサード・アルバム『Moonlight』(2007年2月NY録音)を発表し、初のジャパン・ツアーを行う。
Selected Discography
Album  『ロスト・イン・トランスレーション』2007年 Releaseダウンロード価格 
アルバム \2,000(税込)
トラック 各\200(税込)
Album  『ベイ・シュー』2006ダウンロード価格 
トラック 各\200(税込)
Links
>>ベイ・シュー・レーベルサイト(ユニバーサルミュージック)
>>ベイ・シュー・アーティスト詳細ページ
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Music Lounge Artist Special Play List Vol.20
ベイ・シューが影響を受けた(好きな)10曲M1  Both Sides NowM2  ButterflyM3  Feel Like Makin' Love  現在、OnGenでは配信しておりませんM4  A Case Of YouM5  Melody  David Tao(デヴィッド・タオ)  現在、OnGenでは配信しておりませんM6  Irreplaceable  Beyonce  現在、OnGenでは配信しておりませんM7  Sunray  Rosie Brown  現在、OnGenでは配信しておりませんM8  All Of MeM9  Tea For Two  Dan Nimmer  現在、OnGenでは配信しておりませんM10  「Swallowtail Butterfly〜愛のうた〜」  現在、OnGenでは配信しておりません
ポップスからジャズまで、  ベイ・シューがフェイバリット・アーティストについて語る

ジョニ・ミッチェル
「青春の光と影」は、ジョニが何歳の頃に書いた曲かはわからないですが、人生の物語や体験を語っていて、そこに深い味わいがあって素晴らしいと思います。

コリーヌ・ベイリー・レイ
すごく自然な歌手で、どの曲も凄く良くて才能があると思います。

マリーナ・ショウ
「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」は多くのアーティストがカバーしていますが、マリーナ・ショウの『TOKYO LIVE』でのライブ・バージョンが一番好きです。

ダイアナ・クラール
彼女は、私がジャズを聴き始めた頃に大きな“ひらめき”を与えてくれた人です。ジャズが今のように幅広い層に受け入れられるきっかけを作ったパイオニアだと思います。歌い方も演奏も自然なんだけど、深いバックグラウンドを感じさせるところが凄いです。これからも、私の“ひらめき”の元であり続けると思います。

デヴィッド・タオ
台湾出身の歌手で、一番のお気に入り。とてもいい人です。控えめでざっくばらんで、凄く才能があります。私が「メロディ」をやりたいと言ったとき、ノリは初めてデヴィッド・タオを聴いたんですが、‘彼は凄いね’とすぐに気に入りました。

ビヨンセ
大好きでいろいろ聴いてますが、何であんなに人気があるんだろうと思いますね。とにかくカッコいいし、歌詞も詞という感じとはちょっと違うけど、話し言葉に近くて素敵ですね。

ロージー・ブラウン
イギリスのシンガー・ソングライターです。変った詞を書くし、ひとつのことを表現するにも人とは違った表現のしかたをします。囁くような歌い方ですけど、人の心をきちんと掴むシンガーです。

オスカー・ピーターソン
最も好きなピアニストの一人です。「オール・オブ・ミー」はシンプルな曲ですけど、彼の弾き方はカッコいいですよ。凄くスウィングしてるし。

ダン・ニマー
私の最初のアルバムでピアノを弾いてくれました。ウィントン・マルサリスのバンドにいたピアニストで、この曲は彼のソロ・アルバムに入っていて、一番好きな曲です。とてもカリスマ性のあるピアニストです。

Chara
私のセカンド・アルバムを作る時に、日本語の曲を入れようと思ってユーミンの「A Happy New Year」と共にカバーの候補にあがった曲です。トライしてみようと思ったんですが、今回は時間的にも間に合わなかったので、とてもいい曲だし、いつかやってみたいと思っています。





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