今回のアルバムに収録された楽曲を改めて聴いてみると、カップリング曲がこんなにも素晴らしい曲揃いだったのかと驚かされる。「すべりだい」「あおぞら」はストレートに温かさが表現され、シンディー・ローパーの「アンコンディショナル・ラブ」や80年代に一世を風靡した名曲「CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU」の椎名林檎流カバー曲は聴きごたえ抜群だ。当時サントリーのCMに起用されていた「輪廻ハイライト」はジャジーな名盤だし、『絶頂集』からの「メロウ」「不幸自慢」「喪@ CエNコ瑠ヲュWァ」は激しいロックサウンドが迫力満点のセレクト。愛らしくかつ病的、でもハートをキュンとさせる「愛妻家の朝食」「シドと白昼夢」。おとぎ話の世界のような「la salle de bain」など、彼女の描く壮大な世界を一気に聴くことのできる、1枚に仕上がっている。10年間の椎名林檎的歴史の振り返り方のひとつがここにある。